歯科医師数は過剰と言われていますが、実は地方では不足していることが判明しています。特に無医村問題が深刻になっていることと同じ様に、歯科医師のいない地方が増えているのも事実です。
ならば、地方の町村で開業しては?と考えるのも一考。ですが、そこはよく考えるのが必要です。まず、診療報酬制度をよく調べて下さい。歯垢や歯石落としのためだけに歯科衛生士を雇用するには、診療報酬制度は単価が余りにも安い、と考えざるを得ません。ですから、開業するなら診療単価の大きいものに耐えうる顧客層をつかまなければ、収入の安定はありません。
ですから、開業する場合は「スキル」をしっかり身につけることが先決です。まずは、勤務医として研修期間を設けましょう。参考にしたいのは2つ。まずかかりつけ医としてにテクニックを身につけることです。ここで、美容院のアイデアを披露していきましょう。
美容院がなぜ流行るか…といえば、気に入った美容師に自分を美しくセットアップしてもらう、という満足感から。髪は永遠に伸びていきますし、加齢によって似合うヘアスタイルも変化します。美容室の悩みどころは、顧客を多くもっている美容師の引き抜き。特に都市部では、気に入った美容師目当てに、鉄道を乗り換えてでも通うのが普通です。
美容師は医師ではないのに、まさにかかりつけ医の存在以上。美容師には家族の話やプライベート旅行の話など、意外にも打ち解けて話し込んでしまいます。考えてみれば、歯科医院の場合も、話をするのに非常にいい環境と言えなくもありません。もちろん、診療中や処置中は無理ですが、世間話を聞いてもらうのに適した、ゆったりしたソファーに患者が座るのですから、医師はもっと聞き役になってもおかしくないのです。
もう一つは、経営者の院長の会計能力や集客能力を勉強する、ということです。勤務医は基本給+歩合というのが相場です。院長の下で働くことは、基本給についてはタダで経営を勉強させてもらう、と考えておきましょう。医療機器や個室の作り方、患者との話の仕方や紹介客の誘い方など、しっかりと技を盗んでしまうのです。
もちろん、いくばくかの貯蓄が出来た段階で、分室院長になるのもよし、あるいは本格的に開業するのも良いでしょう。ですが、その際も「キーマン」と呼ばれる大口患者(顔の広い)をキープしておくのが必須です。常に自分をさりげなくアピールして、開業へ向かいましょう。