いまや、ハローワークが人気?歯科医師という職業の見方が変わってきた!
ハローワークといえば、職安。職業安定所という名前の職業紹介所です。いわゆる斡旋屋ではありませんが、厚生労働省が直に行っていることもあり、その信頼感は絶大なものがあります。もちろん、そこに記載される職業は中小企業が多かったり、あるいは地方のハローワークで見かける大企業の多くは東京の人手不足を背景に、都内の職場であったり、あるいは原発での作業員であるケースも少なくありません。
また一方で、雇用者側としてはキャバクラ、クラブといった水商売系の求人も毎日のように登録されています。こういった職業の状況は、厚生労働省が把握できる職業調査に大きく貢献していますので、地方地方の職事情が、国に一括捕捉されている面もあるのです。
従来は、歯科医師を雇用するのに、派手な宣伝を行うところが多かったのも事実です。そもそも歯科医になる人たちの多くは頭脳優秀ではあったが、医学部には入学できなかった人たち、あるいはコスト面で医学部入学は困難、と考えた人たちなどが多く存在します。また、実家が歯科クリニック…というケースも多々有ります。特に私立大学歯学部や私立歯科大学の場合、少なくとも6年間で3,000万円は最低授業料その他でかかるといわれます。
こうした経費をかけ、国家資格を取得するにあたり、決まった職場が待っていない…これは、非常に興味を覚える事実といえるでしょう。音楽大学を首席で卒業したが、就職先がない…というのは理解できますが、歯科医は歯科医として働くわけであり、それがハローワークで探さなければならない…というのは、歯科医も左官業や塗装業のような職人のひとり、と考える世の中になりつつあることがわかるのです。
ハローワークに登録して、自分が見たい情報を探すには、自らハローワークに出かけて自分専用のID番号を取得しなければなりません。ただし、一度取得できれば、あとは自宅のパソコンからも閲覧可能です。ただ、使いづらいのは、自分の希望に合致した転職先が、自動的に割り振られてメールでアナウンスされるようなシステムが皆無、ということです。
もし、自分が黙っていても、与えられる情報に頼ろうと考えるならば、ハローワークは面倒な検索を繰り返さなければならないわけで、それなら専門の転職エージェントの方がいい…と考える場合もあるでしょう。確かに、情報が上から下へと羅列してあるだけで、勤務先から探す、給与別から探す…といった便利さはかけらもありません。
ハローワークの情報は、更新別です。新しい雇用先が登録されれば、その情報が新たに載っかっていくだけのシステムですから、便利さを期待してはいけません。
これは、見方を変えれば非常に穴場とも言えましょう。歯科クリニックは飽和状態です。新規開業と倒産の繰り返しで、今後の診療報酬アップがなければ、その3割はワーキングプアのまま40代、50代を続けることが予想されます。そうなると、派手に宣伝することだけが生き残る手段といえるのでしょうか?
ユニットにお金をかける開業歯科。審美歯科領域に進出し、削らないことに衆目を集める歯科医。経営センスだけを求めて、様々な異業種交流会に顔を出す歯科医…その動きはまさに勤務医とは明らかに異なります。そして、ハローワークに登録されているほとんどの場合、アルバイト歯科医であることもよく覚えておく必要があります。
アルバイトか…そう悲観することは全くありません。時給3,000円でも5,000円でも、まずはトライしていきましょう。医師の世界でも、訪問医療の場合は診療報酬制度はあっても、患者宅へ出かける手間ひまは全く費用に入りません。彼らには手当なるものはなく、全てが診療のみ支払われます。ですが、歯科医の場合は、それなりのユニットがなければ手当はできません。
訪問歯科の場合、入れ歯の合わせなどがせいぜいであり、口腔ケアはなぜか看護師の領域です。訪問歯科は今後絶対に必要になる時代ですが、75歳以上の高齢者世代は1割負担ですから、ともかくハローワークでもこうした仕事をどんどんと探すべきなのです。
どんな時代でも生き残る人は、決めた人生をやり遂げる人です。ハローワークで探す求人なんて…と腐ってはいけません。一般社会に通じている歯科医であるからこそ、丁寧で親身な歯科稼業を行っているのをご存知でしょうか?いきなり開業して年収1,200万円は堅い…そんなことは、考えてはいけません。
どんな医師でも歯科医師でも、挫折を乗り越えていくものです。ハローワークでも構いません。素晴らしい歯科医こそ、患者への良い所が上手だったり、飲み会にしょっちゅう出ている人など、患者の囲い込みがうまいのです。ハローワークで見つけた求人…人が手をつけないところに、素晴らしい人生が待っているかもしれません。