口臭ケア、口臭治療と看板を掲げる歯科医が増えています。歯周病を警告するテレビCMでは、「放っておくと、歯茎から歯が抜けてしまう」というCG画面を映し出しています。つまり、歯槽膿漏のことを伝えているのですが、歯周病そのものがどういう疾病か、はなかなか知られていないのが現実です。
歯の衛生管理は「歯磨き」と「糸ようじやフロス」による歯垢落としが中心です。結局歯を磨く、歯と歯の間の汚れを落としておいてさえいれば、細菌の感染と炎症は避けられます。つまり、間違いない歯磨きとその習慣さえしておけば、問題はないはずなのです。これは生活習慣や過度な糖分の取り過ぎを是正するなどの慣習を徹底しておけばよいわけですから、誰でも可能な予防といえるはずです。
ところが、実際には歯茎の汚れが原因で、細菌が感染して嫌な臭いを発生させます。これが口臭といわれるものの大部分です。歯科医は正しい歯磨きを指導してくれますが「何だ、歯磨きか…」と患者はあまり関心を抱かないものです。習慣のなかで、これほど簡単で楽なものはないため、わざわざ歯科医が指導するようなものではない、と考えるからでしょう。
歯科医がおすすめする歯磨き粉として、アメリカ・パスカル社製造の「スタンガード」があります。これは着色料(白やピンクなど)を全く含まず、無色透明です。味はミント味で、フッ素が含まれているもの。フッ素は幼児に「塗布」する歯科医師が多いのですが、大人でもフッ素はウ蝕予防に有効。そのため、磨いた後は水で口内をすすがずに30分ほどそのまま何も食べないでおくのがよい、と説明を受けるでしょう。
また、寒い季節になるとお風呂で歯磨きを勧める方が出て来ます。カラダが温まると、当然歯茎も温まります。堅くしまった歯茎が緩まる事で、歯ブラシの通りが良くなり、汚れが落ちやすくなる、という調査結果もありますが、やはりシャワーを使っての歯垢落としに原因があるようです。市販されている歯磨き粉は、わざと味を付けていますが、これは出来るだけゆすぎを回数多く行わせるため。電動フロスを使っても、最後はよく口内をゆすがないと意味がありません。
そこで、ゆすぐ手間をかけずに歯垢落としをするのに、シャワーが最適というわけです。また、フッ素のかわりに「唾液」を出すことを勧める歯科医師もいます。そもそも健康な体内だからこそ、唾液も多く出て来ます。口臭ケアは歯磨き粉選びか、シャワーでのゆすぎがお勧めなのです。