歯科医の転職、歯科技工士の転職は大変
数ある転職サイトの中で、歯科医や歯科技工士に特化したものは、ほぼ99%が情報提供型サイトです。コンサルタントが常勤し、歯科クリニックを斡旋するために様々な面談や指導を行ってくれるところは、ほんの2、3社に過ぎません。また、こうしたエージェントの場合でも、医師転職エージェントが主に行っていて、そのついでに歯科医師も…というケースがほとんどです。
なぜ、こうした情報提供型になるのか、というと、歯科医師の転職マーケットが極端に小さいことであり、その診療科目は2つしかないことが原因です。一つは一般歯科、もう一つは審美歯科(美容歯科)です。
一般歯科の場合でも、実際には混合歯科医療を行っています。眼科がレーシックを行うように、審美歯科の代名詞はインプラントです。ですが、40万円から50万円といった最低診療価格が、20万円代に落ちてくるようになると、もはやインプラント治療は審美歯科独占とは言えなくなりました。そこで、材質にセラミックを使ったもの、あるいはホワイトニングや矯正歯科を標榜するところなど、非常に多くの専門歯科が登場しています。
ですが、どこでも新しい歯科医を雇用するところは決まっています。大学病院で残ることができる人材はほんの一握りであり、多くは2、3医院を経営する院長の元で雇用される一般歯科クリニックへの道か、あるいはチェーン店舗経営を行う歯科クリニックに入るか…それ以外は家業を継ぐかという選択肢しかありません。
もともとはオーラルケア商品を扱う店舗経営をおこなっているのが、医療の空サイトの母体です。楽天で「オーラルケアのDOD」という名前で検索されれば分かるように、この会社は歯科医院御用達の商品を数多く扱っています。ユニットなどの設備ではなく、完全に歯ブラシやペーストといった商品の種類が豊富なのです。
よくご存知の通り、市販されているオーラルケア商品と歯科クリニック用の商品の違いは、その成分に限られます。一般的にはサンスターやライオンの商品は医療用よりも価格が安く、界面活性剤などが含まれていることから、どのような方の歯にも「摩擦」によるエナメル質の剥がれを助長することは自明です。ですが、専門歯科用にはそのような成分は入っていません。
医療用製品と歯科医療用製品の大きな違いは、確実性です。例えば、身体の疼痛は全て脳によるシグナルであって、ある決まった部位が痛みを発生させているのではありません。よく勘違いする方が多いのは、膝が痛い、腰が痛いというのは加齢のせいだ、という認識です。加齢なら誰でも腰が痛くなるのでしょうか?それは間違いです。
疼痛の原因は神経です。例えば座骨神経痛という痛みがありますが、その多くは腰椎ヘルニアと言われています。ヘルニアは首から腰にかけて30個ある背骨、それも下から5個までを腰椎と呼び、上半身の過重が一気にかかってきます。姿勢が悪いと、この腰椎が少々曲がってしまいます。
骨の中には神経と血管が通っており、骨が曲がっていると、神経もそれに沿って曲がるはずなのですが、実際にはそれができません。そのため、神経はそれを囲む管にビリっと触れてしまい、それが疼痛の原因になります。歯の場合はもろにその神経が歯の根元に出ていますから、歯の治療は非常に痛いのです。
痛みを感じないようにするには、脳を騙すのが一番です。つまり、神経を麻痺させるのです。体を温めることで、血流が良くなり、痛みは和らぎます。神経が触っても、血液が勢いよく流れれば、痛みは感じなくなります。ですが、歯の場合はそれができません。確実に神経に触ってしまう治療方法しかないのです。
ですから、歯磨き粉ひとつとっても絶対に歯を削るような成分を含んだものは、販売しないのです。
まだ、少ない情報量。ただ、オーラルケアに関しての知識や不動産業が母体であることから、開業についてのコンサルティングはうまい
エージェントは全部が全部独自の情報を抱えているのではありません。どの歯科クリニックも費用を支払って、雇用したいと考える歯科医師、歯科技工士、歯科助手を迎えます。つまり、タダで良い歯科医師を手に入れられないのです。良い歯科医師になるには、やはり多くの症例に向き合うことが大事です。
昔から、趣味は「ガンダムのプラモデル作り」という歯科医がいますが、あながちこれは無駄ではありません。歯科医師は職人でなければなりませんから、日々トレーニングして、目を悪くさせないように健康を保つことが必要でしょう。どのエージェントでも構いません、一軒でも多くの歯科クリニックを探し出し、とにかく登録だけは欠かさないようにしましょう。